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2021 年05 月27 日掲載:

事務局員による炊き出し会場での生活・医療相談レポート

SSCの石黒です。普段は事務所や在宅で、ニュースレターを作ったり、WEBの内容を更新したり、寄付をいただいた方にお礼状を書いたり、お問い合わせに対応したりといった事務仕事をしています。
そんな私が珍しく、木曜夜の炊き出し相談の現場に足を運びました。炊き出し会場の一角で、生活や健康に関する相談をお受けする活動です。
一刻をあらそうような深刻な相談もありますが、普段はちょっとした世間話を楽しみに来ていただく方が少なくありません。

最近、炊き出し会場では見知らぬ方がSSCの関係者をかたって「仕事がある」「働かないか」と声をかける事案が発生し困っていました。
SSCでは、基本的にはまずはご本人の状況をじっくりと伺ってから、今後の生活を一緒に考えていくという方針を持っています。急に声をかけて就職を斡旋することは一切ありません。

メンバーから「誰が本当にSSCの人か分かるように名札を作っては」というアイデアが出され、これからは名札を付けて活動してみようということになりました。

炊き出しでは「誰がSSCの人か」が分からなくても、いつも見る顔だね、と分かると親しく話しかけてくれる方がいたり、炊き出しに並んでいる見知らぬ人が何も言わずに相談ブースの物品を整頓してくれたりと、相談する/される、支援団体/それ以外といった境界が曖昧になって混ざり合っています。これは団体ではなく石黒個人の意見なのですが、私はその雰囲気が好きなので、名札が人と人との境目をハッキリさせてしまうようで少し寂しい気もしました。しかし、みんなが安心できる場であり続けるためには必要なことだなあと思い、事務所のプリンタで名札を刷っています。

相談に来られる方は経済的・精神的、あるいは身体的にも深い悩みを持っていることが多く、一方でSSCのメンバーは必ずしも専門知識が豊富でないボランティアであることがほとんどです。これも個人的な意見ですが、今晩からでも寝床と職場を確保できる手配師の人の方がSSCよりも役立てているのではと迷うこともあります。それでもSSCとともに暮らし方を考え、時には衝突したりつまづいたりしながらも次の一歩を踏み出そうとされる方がおられること。その後アパートなどで暮らしている方は、今も連絡が取れる方だけでも300名以上おられるということの重みを感じます。

「支援に正解はない」と言われますが、かといって「何でもあり」に逃げることなく、関わる一人ひとりの考え方のちがいを大切に、うまくいくことばかりではなくても、みんなで話し合いながら、くじけず続けていきたいと思います。(事務局:石黒)

◆活動を支える寄付を募っています
タオル、かみそり、石けん(いずれも新品のもの)や活動のための費用の寄付を常に募集しています。

https://www.sasashima.info/donation/

◆ボランティアもめげずに募集しています
専門的な知識がある人もない人も、好きなことや得意なことを生かして、無理のない範囲で活動できます。ご興味のある方はお問合せください。

https://www.sasashima.info/bosyuu/